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境港の隣県・島根県松江市と出雲市で、心と体を潤すデトックス女子旅〈後編〉

伝統・歴史 2023.06.20

忙しい毎日から離れてリフレッシュしたい!そう思って女子2人で旅立ったのが、境港市に隣接する島根県松江市。国宝松江城や雄大な景色が広がる宍道湖、2023年から提供がスタートした「松江松平そば」など、歴史薫る街にはわざわざ訪れてみたい旅の楽しみが満載です。さらに、西隣の出雲市には境港市とゆかりのある一畑薬師があります。宍道湖を一望する山上にある一畑薬師では、サウナ付きの宿坊で、癒しのひとときを体験。大自然のパワーをたっぷりチャージし、心と体を潤すデトックス旅に出かけました!

一畑薬師&一畑山コテージで、心と体をデトックス

約30分の“バタデン”の旅を楽しんだ後は、いよいよ一畑薬師へ。一畑薬師は標高200mの一畑山上にあり、1300段余りの石段の参道でも有名なお寺です。

目玉おやじも鎮座する約1300段の参道の石段。今は駐車場から直接境内にアクセスできます

目のお薬師様にあやかり、参道にある店では目薬飴を販売
参道のお店で出会った看板犬。人懐っこくて愛嬌たっぷり

創開は平安時代の894(寛平6)年。一畑薬師の麓・日本海の赤浦の海中から漁師の与市が引き上げた薬師如来をご本尊としてお祭りしたのが始まりです。盲目であった与市の母の目が見えるようなり、また、戦国の世に小さな幼児が助かったことから、「目のお薬師さま」「子どもの無事成長の仏様」として篤く信仰されるようになったそう。全国からたくさんの参拝客が訪れています。

本堂には御本尊の薬師瑠璃光如来をはじめ、日光菩薩、月光菩薩、十二神将を祭る
一畑薬師の飯塚大幸管長。タイミングが合えば、ありがたいお話を聞くチャンスも

境内を散策して、数多の仏像や水木しげる先生像と出会う

大自然に抱かれるように境内があり、ご本尊の薬師瑠璃光如来(やくしるりこうにょらい)を祭る本堂をはじめ、その周りには奉納された小さな仏像がずらりと並ぶ「八万四千仏堂」が。また、お釈迦様の高弟十六人の羅漢像が個性あふれる姿で並ぶ「十六羅漢堂」もあるなど、心安らぐ空間が広がります。

仏像が整然と並ぶ「八万四千仏堂」
個性豊かな「十六羅漢堂」の羅漢様たち。飯塚管長によると右側の「注荼半諾迦(ちゅだはんたか)」は『天才バカボン』のレレレのおじさんのモデルだとも伝えられているそう!

一畑山は昔は茶畑だったことから、今も境内に茶畑があり、そこで採れた茶葉と山から湧き出る霊水でいれた「お茶湯(おちゃとう)」は、さまざまな病に霊験のあるお茶なのだとか。飲むだけでなく、目につけて洗ってもよく、御霊茶も販売されていました。

お茶湯がいただけます
お茶湯を持ち帰れるおしゃれな徳利(1本500円)も販売
お守りもいろいろ。今年の干支のウサギがあしらわれた美しいデザインのお守りも発見!
境内の御霊水。目がよくなるようにと、ちょっとつけてみました

境内を散策していると、「のんのんばあと水木少年」のブロンズ像を発見!実は水木しげる先生は幼少の頃に一畑薬師を篤く信仰する“のんのんばあ”(水木家にお手伝いに来ていた)に連れられて参拝に訪れたそう。その縁もあり、境内にはこの像が置かれているのだとか。境港との不思議なご縁を感じずにはいられませんでした。

参拝客お手製のマフラーがよく似合うのんのんばあと水木少年

この像をはじめ、一畑口駅から境内の間には7体の目玉おやじのブロンズ像があるので、探しながら歩くのも楽しいですよ!

見晴らしも最高な宿坊「一畑山コテージ」へ!

こよいの宿泊先は一畑薬師の境内にある「一畑山コテージ」。宿坊が一棟貸しの洋風コテージというのが新鮮な上、2棟のみなので静かにゆっくり過ごせるのが魅力です。

森の中に佇む一畑山コテージ。1棟貸し切りなので別荘気分で過ごせます
宍道湖を一望でき、眺めも抜群!

コテージからは宍道湖が一望でき、この絶景を独り占めできるなんて最高です!もちろんコテージ内の施設も充実していて、広々としたリビングをはじめ、調理器具や食器がそろったキッチン、2階のロフトにはベッドルームも用意されています。

リビングのほか、キッチンもあって1階は広々。ウッディな空間もすてき
2階のベッドルームは山小屋風なくつろぎ空間

天然木材や古材、珪藻土の塗り壁を採用するなど体に優しい素材を使い、室内に入ると清涼感のある木の香りに包まれ、超リラックス気分です。ここを拠点に連泊し、山陰観光をする人も多いとか。確かにこの快適さを満喫するのは、一泊ではもったいかも!

夕食は予約制になり、選んだのは「旬の野菜と島根和牛蒸しセット」(1人3500円/2食以上から予約可能、3日前までに要予約)。野菜はどれも新鮮で、お肉もボリュームたっぷりです。料理はすでに下ごしらえがされているので、火を通せばすぐに食べられて楽チンな上、それぞれのコテージで他の宿泊客と同席せずに食べられるので、自分たちのペースでゆっくりのんびり過ごせることが何より快適でした。

色とりどりの野菜と島根和牛のボリュームがスゴい!炊き込みご飯やデザートもセットになり、お腹がパンパンになること必至

「おてらサウナ禅」で五感を解放!他では味わえない“ととのう”を体験

そして、夜は待望のサウナへ!実は一畑薬師の管長・飯塚大幸氏がサウナーでもあることから、2023年3月にコテージのすぐ横に本場フィンランド式のサウナを新設されたそう。

サウナは宿泊客のみ利用可能。3時間の利用で1人2200円。こちらも貸し切りで利用できるのがうれしい
サウナエリアはゆったり。小窓から周囲の自然を眺めながらの癒しのひとときを体験

空間は広々とし、ロウリュウもでき、外気浴エリアの“ととのいスペース”には大きな御影石をくり抜いて造られた水風呂があるなど、サウナ好きにはたまらないツボを押さえた設備。サウナーの管長だからこそのこだわりが目一杯詰まっています。「ここは“おてらサウナ禅”と呼んでいます。本場フィンランドでは、サウナは自分と向き合う神聖な場所。そして、禅は宇宙とひとつになれる安らぎの心です。静寂の環境に身を置いて、静かに自分と向き合う時間をぜひ体験してほしいですね」と飯塚大幸管長は話します。

サウナエリアの壁面は昔、達磨(だるま)大師が嵩山の少林寺で壁に向かい、9年間座禅をした逸話にちなみ、大きな石(大根島石と来待石。いずれも島根県を代表する石)がはめ込まれています。セルフロウリュウを楽しみながらの面壁の瞑想(めいそう)タイムを!

早速サウナを体験すると、高湿度なので体に優しくいい感じ。息苦しさも全くなく、体の芯からじわじわとぬくもるようです。じんわりと汗がにじんできたので外気浴エリアに出て見上げると満点の星空!夜風もひんやりと心地よく、鳥や虫の音だけが静かに聞こえる森の中というロケーションも最高で、五感が解放されるひとときが味わえました。

お昼間の外気浴エリア。イスに座った時の眺めを計算し、管長自ら植栽したそうです
夜は幻想的な雰囲気に早変わり。夜風に吹かれながら“ととのう”時間を堪能したい

写経に座禅。心を浄め、自分を見つめるひとときを!

翌日は多彩な野菜料理もセットになった朝がゆの朝食からスタート。どれも丁寧に調理され、しかもおいしい!「食べながら体をいたわってる感じ。体の内側からキレイになってる気分♪」と、朝からテンションも上がりました。

朝日の美しさも格別!一日のはじまりを清々しい気分でスタート
朝食は手の込んだ精進料理と朝粥(1人1500円、2名から予約可能、3日前に要予約)

大自然の景観に癒され、滋味豊かな料理とサウナで体の内側と外側もリフレッシュした後は、心の浄化を求めて写経と座禅を体験しました。

宿泊客は朝のお勤めに参加することができます

お堂では副管長の説明を受けた後、般若心経を一文字一文字書写していきます。無心で書くことが般若心経の教えに近いのだとか。雑念を払って一筆集中!

自分に向き合う静かな時間。写経体験は1人1000円(前日までに要予約)

次は座禅に挑戦。初めての体験で最初は少し緊張していたものの、胡座(あぐら)の組み方や手の形などを丁寧に教えていただいてから始めることに。「自分に向き合う心静かな時間をまずは楽しんでください。集中しだすと、遠くの音も近くに感じられるようになるなど、五感が研ぎ澄まされますよ」とのご説明もあり、身体を整えて呼吸だけに集中。

座禅体験は1人1000円(前日までに要予約)

しばらくすると周りのノイズが消え始め、座っている静かな空間がとても心地よくなり始めました。そして、普段なら気が付かないような鳥の小さな鳴き声も次第に聞こえてくるように…。時間は30分とあっという間でしたが、心が清められたような不思議な感覚が味わえました。

座禅中に合掌すると警策を受けることも。「ビシッ!」という音は強烈ながら、痛みは全くナシ

お寺で過ごす時間と聞くと、どこか難しく、時に退屈な感じもありますが、一畑薬師で過ごした時間は心も体も満たせるひとときでした。日常の喧騒(けんそう)から離れ、日々のストレスや疲れから解放される時間と空間の体験は、まさに心と体のデトックスにピッタリ!ぜひ、次の旅ではこの場所を訪れてみてください。

♯DATA
一畑薬師
https://ichibata.jp

宿坊 一畑山コテージ
https://ichibata.jp/cottage/

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