アートを求めて東へ西へ!境港周辺に点在するこだわりのミュージアムで秋を満喫。
グルメ 2024.09.18
境港やその周辺には『水木しげる記念館』をはじめ、こだわりのミュージアムが数多く点在します。そこで、“食欲の秋”を境港で満たしつつ、その辺りもがっつり回って、“芸術の秋”を堪能してみませんか。秋の景色に彩られた境港や山陰を巡るドライブ旅行に出発しましょう!
もくじ
作品はもちろん、建物や周辺風景もアート一色『植田正治写真美術館』
大阪から車で約3時間。米子自動車道大山高原スマートインターチェンジから約5分で到着するのが『植田正治写真美術館』。のどかな田園風景の中に突如現れる巨大なコンクリート打ちっぱなしの構造物というインパクトは、もはやこの風景もアート作品のよう!この素晴らしいロケーションだけでも訪れた価値があるというものです。
境港市出身の植田正治氏は、生涯にわたり山陰を撮り続けた日本を代表する写真家。山陰の風景や砂丘を背景に、被写体をオブジェのように配して撮る独特のスタイルは“Ueda-cho(植田調)“と呼ばれ、世界的にも高く評価されています。あの福山雅治さんが師事したことでご存知の人も多いのでは?
建築家・高松伸氏が設計した写真美術館は植田正治の作品約1万2000点を収蔵し、企画展やコレクション紹介展示で作品を鑑賞することができます(現在の展示内容は公式サイトを参照!)。
さまざまな技巧を凝らしたモノクロ写真は、ノスタルジックなものもあれば、シュールな世界観を感じるものまで、写真の持つ表現力の深さを堪能できるものばかり。「写真作品ってよくわからないし…」という人でもきっと惹き込まれるはず。
2階にはユニークなスポットも!窓ガラスに植田作品でよく見られる黒い帽子のシールが貼られ、その先には雄大な大山の姿が。ステッキやコウモリ傘といった植田氏がよく作品に使った小道具も用意されているので、アート風の記念写真を撮ることができます。どう撮ってもステキ写真になるから、SNSで自慢したくなるはず!
「映像展示室」は壁面に世界最大級のカメラレンズが設置され、この空間そのものがカメラの内部構造を再現したものになるそう。つまり、カメラの原点である“カメラ・オブスキュラ”を体感でき、“逆さ大山”が鑑賞できるというものに。
1階にはミュージアムショップもあり、館長のおすすめは、植田作品122点が収録された美術館のオリジナルフォト・ダイアリー「DAY BY DAY」(1,540円と1,760円の2種類)。
また、館内を出てからもお楽しみが。無機質な建物を背景に撮影すると、映える写真が誰でも撮れるんです!希代の写真家の作品を鑑賞した後なら、きっとステキな写真が撮れるかも。
♯DATA
植田正治写真美術館
住所:鳥取県西伯郡伯耆町須村353-3
電話番号:0859-39-8000
営業時間:10:00〜17:00(入館は16:30まで)
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)、12月上旬〜2月末・展示替期間中
入館料:一般1,000円、大学・高校500円、小・中学生300円
https://www.houki-town.jp/ueda/
境港の魚がふんだんな回転寿司のお店へ!『山陰のお寿司 ヒトトセ 境港本店』
アートな作品を鑑賞した後は一路境港に向けて出発。一般道路を約40分走り、『山陰のお寿司 ヒトトセ 境港本店』へ。境港を訪れる人の大本命といえば新鮮な魚介を食べること。9月に漁が解禁となった今、「なんとしてもベニズワイガニを食べたい」という人なら、絶対訪れてほしい回転寿司店がここなんです!
2024年3月に開店したばかりで、現在は本店とJR境港駅前店の2店舗を展開。一見すると普通の回転寿司店ですが、境漁港から新鮮なネタを毎日仕入れるため、境港産のネタが驚くほど多いのが特長です。さすが地元密着!しかも、シャリも地元産の“きぬむすめ”の特Aを使い、赤酢で調味するというこだわりもあって、高級寿司店に負けず劣らずのおいしさ。これが1皿200円台から食べられるなんて、幸せすぎる〜!もちろんベニズワイガニもあり、なんと1皿490円!
どれもおすすめですが、この店ならではの一品なら、「ヒトトセ海鮮瓶」(980円)をぜひオーダーしてほしい。山陰特産の海藻“アカモク”とイクラ、サーモンを瓶の中に詰め込み、ご飯にぶっかけて食べるというオリジナルメニューです。
また、境港は6〜7月上旬に取れるクロマグロも有名で、同店では6月に水揚げされたマグロを独自冷凍保存して通年で提供しているとか。脂のノリも抜群で味は絶品。こちらも必食です(数量限定)。
♯DATA
山陰のお寿司 ヒトトセ 境港本店
住所:鳥取県境港市竹内団地280-1
電話番号:050-3099-5446
営業時間:11:00〜15:00(14:30LO)、17:00〜21:00(20:30LO)
定休日:無休
https://sushi-hitotose.com
境港に今秋オープン!利便性と快適性を追求した新感覚ホテル『REEL HOTEL』
今宵の宿は2024年秋にオープンしたばかりの『REEL HOTEL』。風情ある温泉宿からゲストハウスまで多彩な宿泊施設がある境港ですが、このホテルは今まで境港にはなかった宿として注目を集めています。というのも、ホテルの利便性と快適性を追求した“無人フロントホテル”という新しいスタイル。
チェックインはホテルに設置された専用タブレットを操作するだけで完了。境港を満喫して夜遅くなっても、気兼ねしないで済むのもうれしいポイント。人との接点がない分、ビジネスや旅行、リフレッシュにと、自由気ままにホテルステイを楽しめると好評です。
7室ある客室は、家族やカップルで泊まれる広めのデラックスツインルームをはじめ、ゆったりとしたツインルーム、ビジネスに最適なシングルルームまで3タイプを用意。
肝心のお部屋もシンプルながら、まるで我が家のようにリラックスできる温かみのある雰囲気に。オーストラリアで生まれたコアラ®のベッドマットレスとリネン、日本のフレグランスブランド「ショーレイヤード」のバスアメニティを揃えるなど、細部にもこだわりが満載です。また、冷蔵庫には境港ゆかりの無料ドリンクが用意されているのも気が利いてます。
これだけ快適なのに、宿泊費はビジネスホテル並みとリーズナブル。境港を自分らしいスタイルで楽しみたい人にはうってつけのホテルです。
また、「境港を朝から楽しめるように」と、境港のお食事処『HATONOVA(ハトノバ)三光丸 境港』と提携し、朝食はこちらで。お刺身定食・焼魚定食・唐揚げ定食の3つから選べ、お刺身定食をオーダーすると、地魚がバラエティ豊かに盛られた定食が登場!朝からなんとも豪勢で気分がアガること間違いなし!
♯DATA
REEL HOTEL
住所:鳥取県境港市上道町463-1 アートビル2F
電話番号:0859-21-8875
営業時間:チェックイン15:00/チェックアウト10:00
※宿泊料・予約方法は公式サイトを参照
https://reelhotel.co.jp
▼REEL HOTELについて
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ビジネスに、ワーケーションに便利に利用できる会員制コワーキングスペース『サインインコワーキングオフィス』
今回の旅のついでに会員制コワーキングスペース『サインインコワーキングオフィス』に立ち寄ることに。コワーキングスペースがほぼない境港にとっては貴重な施設で、地元の人はもちろん、県外から訪れる人たちに重宝されているそうです。
運営は、『REEL HOTEL』もオープンさせた鳥取県で住宅事業を中心に展開する株式会社サインインホールディング。施設名は「山陰(さんいん)」に掛けるだけあり、地域の活性化を目的に、家感覚で使えるサードプレイスになる場所を目指したそうです。
施設内はカフェ風の明るい空間になり、全20席のフリーアドレス席やミーティング室を用意し、ドロップイン(一時利用)も可能。フリードリンク、無料コピー機や無料貸し出しモニターなど設備も整っているので、出張時のオフィスとして、また、ワーケーションの拠点にも最適!
さらに、オープンキッチンも完備しているので、食に関するイベントにも利用できるのだとか。また、マシンを揃えたトレーニングルームも利用者は無料で利用できるというサービスも。旅の途中で急な仕事が入った時やワーケーションで境港に滞在する時などにも便利に使えそうです。
♯DATA
会員制コワーキングスペース『サインインコワーキングオフィス』
住所:鳥取県境港市上道町3282
電話番号:0859-21-1107
利用時間:フリーアドレス席9:00〜18:00
ドロップイン料金:フリーアドレス席1,100円/日、ミーティング室1,650円/時
定休日:日曜、お盆、年末年始
※料金・予約方法は公式サイトを参照
https://co-working-sanin.com
古備前をはじめ、秘蔵のコレクションを展示『安来市加納美術館』
境港から少し足を伸ばして島根県安来市へ。向かう経路によっては“ベタ踏み坂”として有名な江島大橋を経由し、雄大な中海の景色を眺めながらのドライブが楽しめます。道中には観光スポットが点在し、約1時間のドライブで目的地に到着です。
本日の目的地『安来市加納美術館』は、平和を願い続けた安来市出身の画家・加納莞蕾(かのう・かんらい)の作品と日本有数の備前焼をコレクションする美術館。特に古備前の秀品を数多く所蔵することから、全国から焼き物ファンが訪れる美術館としても知られています。
現在は企画展「古備前と城下町・広瀬」を開催中(開催期間は2024年10月6日まで)。館蔵品の古備前と安来市・松江市の遺跡から出土した陶磁器が併せて展示されています。古備前は名品を数多く所蔵する同館らしくさすがのラインナップ。桃山時代の侘(わ)び茶のための水指として制作され、“福之神”という福々しい銘を持つ「矢筈口(やはずぐち)福耳水指」や、樂家の初代・長次郎が手がけた黒茶碗も展示されています。
中でも黒茶碗は松江の歴史と深いつながりも。松江開府の祖・堀尾吉晴が千利休に招かれた茶会の記録に、長次郎赤樂茶碗と黒茶碗(長次郎作?)を使用したと記されており、ここに展示される黒樂「山男」のような茶碗を使用していたのかもと思いをはせると、歴史ロマンが広がりますね。
別室では、安来市広瀬町にある富田川河床遺跡や松江城城下町遺跡などから出土したやきものを展示。特に松江城下町遺跡のやきものは今回初公開になるそう。戦国武将たちがこのようなやきものを愛用していたかもしれないと思うと、ひとときのタイムトリップ気分が楽しめます。
2階は、恒久平和を願い続けてフィリピンの日本人戦犯の赦免に尽力した画家・加納莞蕾のコーナー。加納莞蕾は終戦後、日中戦争の戦犯の1人である同郷の元海軍少将との出会いから、戦犯の助命嘆願活動を始めた人物。「赦(ゆる)し難きを赦すことで真の世界平和が実現する」などとつづった43通の手紙による訴えは、当時のフィリピン大統領・キリノ大統領を動かし、日本兵105名の赦免につながり、その逸話は中学の歴史教科書にも掲載されています。
「世界中で戦争が起こっている今だからこそ、改めて平和と命の尊さ、人権などを改めて考える機会にしてもらえれば」と千葉潮館長。加納莞蕾は千葉さんの祖父になり、「小学校の頃は祖父の絵を描くお手伝いをすることも。とてもチャーミングな人でした」と語ります。
加納美術館の敷地内には「レストランやまさや」もあり、美術館鑑賞後はぜひこちらへ。こちらの料理がかなり気合いが入っていて、料理目当てで訪れる人も多いそうです。
おすすめの1つが「オムライス」(950円)。チキンライスに乗ったふんわり卵がポイントで、ナイフで切り開けば、とろとろ卵のオムライスが楽しめます。器も備前焼を使用するというこだわりも!
ネギ風味ソースでさっぱりと味わう「ステーキライス」(1,200円)もおすすめ。こちらの器は出西焼を使用。また、お肉のうまみが詰まった「ハンバーグランチ」(1,100円)、色とりどりの季節の料理が楽しめる「本日のランチ」(1,500円)もあり。地元・布部産のお米を使用し、味噌汁はシジミ入りなのも、ご当地の味が楽しめて贅沢な気分に。
境港の水木しげる記念館をはじめ、その周辺には見応えのある美術館や写真館がいっぱいです。ぜひ、おいしい魚と一緒に「食欲の秋」「芸術の秋」を満喫しに境港を訪れてみませんか。
♯DATA
安来市加納美術館
住所:島根県安来市広瀬町布部345-27
電話番号:0854-36-0880
営業時間:9:00〜16:30(最終入館16:00まで)
[レストランやまさや]平日:11:00〜14:30(11〜3月は〜14:00※ラストオーダーは各30分前)、
土日祝:11:00〜14:30(14:00LO) ディナーは完全予約制
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)、12/25〜1/10
※展示替えによる休館あり
入館料:一般1,100円、大学・高校550円、小・中学生無料
https://www.art-kano.jp
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