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出雲大社と出雲日御碕灯台で神々のパワーに浄化される女子旅へ〈前編〉

伝統・歴史 2023.08.04

松江城や一畑薬師を巡って心身ともにデトックスできた旅は、さらに西を目指して出雲市へと向かうことに。出雲大社や稲佐の浜(いなさのはま)、出雲日御碕(いずもひのみさき)灯台など、旅行雑誌では何度も見たことがある神話の国の地も、実際に訪れてみると、その神々しい雰囲気に圧倒されます。悠久の時を感じながら、心の澱(よど)みが浄化されるような清らかな気持ちになれるスポット巡りは、まさに女子旅にピッタリ!

一畑電車に乗って『出雲大社』に参拝 。
参道さんぽも楽しんで

境港市を出て、島根県出雲市の一畑薬師に立ち寄った前回の旅路。今回はその続きになり、出雲大社と出雲日御碕燈台を目指して、さらに西へと進みました。

通称“ばたでん”こと一畑電車に乗って降り立ったのが、出雲大社前駅。国の登録有形文化財にも登録されている1930(昭和5)年築の駅舎は、半円形の緑の屋根が目印。駅舎内は真っ白な内壁と高い天井、そしてステンドグラスがあしらわれ、まるで教会をほうふつとさせる美しい造りに。このレトロな雰囲気の駅舎は一見の価値アリです。

出雲大社前駅の構内は幻想的な雰囲気。照明も素敵!
半円形の緑の屋根がかわいいレトロな駅舎。ここからまっすぐ歩くと出雲大社に到着。

駅舎を出た目の前の通り「神門通り」が出雲大社への表参道。ここにはお土産店やカフェ、飲食店がズラリと軒を連ね、観光客で賑わっています。

神門通りで小休止。このお店のカフェオレ、コクがあっておいしかった〜!

しばらく歩くと、江戸時代に芝居小屋などが多くあり、人の勢いが溜まる場所だった勢溜(せいだまり)の大鳥居に到着。これをくぐり、樹齢400年以上の松が立ち並ぶ「松の参道」を歩いた先が出雲大社のご神域になります。

勢溜の大鳥居は出雲駅伝のスタート地点としてもお馴染み。
見事な松並木が並ぶ松の参道(松の馬場)。参道の中央は神様の通り道とされているため、通行は不可。
左右の道を歩くように。
御本殿の裏や神苑(しんえん)、神楽殿周辺にはウサギの像も。かわいい姿に癒される!

大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)が住まい、神々が集う聖地『出雲大社』へ神話の故郷・出雲の象徴でもある出雲大社。八雲山(やくもやま)を背にした境内には荘厳な空気が漂い、思わず背筋が伸びます。由縁は古く、『古事記』に記された国譲り神話では、主祭神の大国主大神が天照大神(あまてらすおおみかみ)に国を譲られた時、造営された壮大な宮殿“天日隅宮(あめのひすみのみや)”が出雲大社の始まりとされています。

早速、御本殿を参拝するため八足門(やつあしもん)へ。参拝は一般的に二礼二拍手一礼ですが、出雲大社は二礼四拍手一礼。そして、出雲大社といえば縁結びの神様としても知られていますが、このご縁は男女の縁だけではなく、「生きとしいけるものが豊かに結びつく」という広い意味でのご縁を指すのだとか。また、出雲大社の縁結びといえば、島根半島の東に位置する美保神社(松江市美保関町)との「両参り」が知られています。出雲大社の大国様と美保神社の恵比寿様は親子の神様でもあり、両参りすることで、より良いご縁に恵まれるそう。これはなんとしても行かなければ!

御祭神(ごさいじん)に最も近づけるのが八足門。
御本殿と八足門の間に楼門(ろうもん)があり、正月は八足門が開放されて楼門まで入ることができるのだとか。

境内でひと際そびえ立つのが、大国主大神を祀る(まつる)御本殿(国宝)。大社造(たいしゃづくり)と呼ばれる日本最古の神社建築様式になり、高さ約24m、大屋根の面積は約180坪(約594平方メートル)という大きさは、木造の本殿建築としては国内最大規模になります。現在の御本殿は1744年(延享元年)に再建されたもので、2008年(平成20年)から2013年(平成25年)5月10日まで5年の歳月をかけて行われた「平成の大遷宮」で大屋根や千木(ちぎ)などが新しくなりました。また、御本殿を真後ろから見上げると、その大きさは圧巻!堂々たる大屋根も見事です。

御本殿に向かって右側(東側)に立つ東十九社(ひがしじゅうくしゃ)と釜社(かまのやしろ)の間からだと御本殿の屋根や千木がよく見える。
高さ24mもある御本殿は真後ろから眺めると、さらに迫力が増す。

近くに鎮座する「素鵞社(そがのやしろ)」は強いご神気(ごしんき)を感じる場所として有名。地元では稲佐の浜の砂を素鵞社の床下の木箱に納め、元からある砂と交換してお清めの砂として持ち帰る風習があるのだそう。この日も多くの参拝客がお砂をいただく姿が見られました。

素戔嗚尊(すさのおのみこと)を祀る素鵞社。裏山は禁足地の八雲山。
素鵞社の岩は御神体である八雲山の山肌に唯一触れることができる場所。

境内をぐるりと回ると、西側にも拝所が設けられています。実は御本殿の御神体は稲佐の浜がある西の方角を向いて鎮座されているそう。そのため、西側からも参拝される人も多いそうです。

西側でも熱心にお参りする人の姿が多かった。

そして、日本最大級の大しめ縄を掲げた神楽殿に到着。写真映えするスポットは多くの参拝客で賑わっていました。境内を歩いただけでも気分がシャキッとし、清々しさも格別。もう一度そっと手を合わせ、出雲大社にご挨拶し、稲佐の浜に立ち寄ることにしました。

神楽殿の大しめ縄は間近で見るとさらに迫力が増す!

♯DATA
出雲大社
■島根県出雲市大社町杵築東195
■0853-53-3100
■6:00〜18:00
https://izumooyashiro.or.jp/

神様が集まるパワースポット『稲佐の浜』

出雲大社から稲佐の浜までは徒歩15分ほど。ここは『出雲風土記』に描かれた国引き神話の舞台でもあり、全国の八百万(やおよろず)の神々をお迎えする神聖な海岸です。

砂浜の先に神々しく海が煌めく稲佐の浜。今春に駐車場の拡張工事が終わり、ベンチや東屋も設置された。

真っ白な砂浜と美しい弧を描く海岸線が続き、目の前には豊玉毘古命(とよたまひこのひと)が祀られる弁天島が。安産や子宝にご利益があるパワースポットを前に、お参りした後はそのパワーをたっぷりいただくために大きく深呼吸!

弁天島を前に深呼吸!

稲佐の浜は「日本の渚百選」にも選ばれ、夏は海水浴客でにぎわいます。また、特に夕景が美しく、夕日を背に浮かび上がる弁天島は息を呑むほどの美しさだそう。訪れる時はその時間を狙うのもおすすめです。

♯DATA
稲佐の浜
■島根県出雲市大社町杵築北稲佐

▼美保神社について はこちらの記事をチェック

後編はこちらをチェック

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