新しくなった「水木しげる記念館」見どころや楽しみ方を名物館長が解説!
アクティブ 2024.05.17
2024年4月20日にリニューアルオープンした『水木しげる記念館』。よりパワーアップして生まれ変わった記念館の見どころや楽しみ方を名物館長の庄司行男さんがご案内。内容が一新された記念館を訪れてみませんか。
もくじ
水木しげるの人間的な魅力に触れられる記念館としてリニューアル
建て替え工事のため約1年間休館していた『水木しげる記念館』が、2024年4月20日にリニューアルオープン!旧施設の約1.5倍と展示スペースも拡充し、新しく生まれ変わった記念館は、ズバリ「水木しげるの人間的な魅力に触れられる展示」が見どころです!
展示は2階にあり、第1章「境港のしげる少年」では、水木先生の幼少期を自伝的漫画作品や映像で紹介。
“のんのんばあ”との出会いから、生涯に渡って不思議な世界を探求・表現し続けた水木先生の原点に触れられます。また、13歳の時にすでに個展が開かれ、毎日新聞に「天才少年画家あらわる!」と紹介されるほど並外れた画力を発揮していたしげる少年。当時の作品はタッチも多彩で、絵本や童画の愛らしい作品は後年の妖怪画とは異なる水木ワールドを堪能できます!
第2章は「水木しげると戦争」。水木先生の戦争体験を追体験する
第2章は「水木しげると戦争」。ここが今回のリニューアルの目玉といっても過言ではないコーナーです。南方での戦争体験は水木先生の93年の生涯のうち、たった3年間の出来事。しかし、その戦争体験が水木先生のその後の人生に大きな影響を与えたことは周知の通り。戦争や死への不安を払拭するかのように宗教書や哲学書を読みまくったという水木先生。戦争にも持っていったゲーテの本や、収容所で描いた絵、日本に復員した後に戦地でのことを描いた「ラバウル戦記」なども展示されています。
その中でも本人の戦争体験をもとに描いた戦記漫画『総員玉砕せよ!』のコーナーは圧巻。悲惨な戦争体験が生々しく目の前に迫り、言葉を失うほどです。戦争について深く考えさせられる展示になっています。
漫画家として成功するまでの軌跡を追う
第3章「そして漫画家に」。紙芝居や貸本を描きながら、漫画家として成功するまでの軌跡を追える展示です。終戦後の水木先生の道のりは苦難の連続で、なんと水木先生が漫画だけで食べていけるようになったのは「講談社児童まんが賞」を受賞した43歳のこと。戦争で左腕を失いながらも持ち前のバイタリティで人気漫画家への道を切り開いた過程は実に興味深い!
迫力満点!妖怪洞窟でリアルな妖怪たちに大接近
第4章「水木しげるが描いた妖怪たち」。リニューアル前も大人気だった妖怪洞窟がさらに迫力満点になって帰ってきました! 43体の妖怪が薄暗い洞窟の中に潜み、その不気味さにドキドキするはず!また、水木先生が描いた妖怪画も堪能できます。
その近くには「水木しげるの言葉」のコーナーも。水木先生の人生訓にも通づる名言が35種類掲げられています。「なにがあろうとオレはオレなんだ」「人がどうこうしたからとか スタートにおくれたからといって クヨクヨする必要はない」など、自分に刺さる言葉が見つかるかも!?
鬼太郎の誕生を描いた作品を紹介する企画展を開催中
企画展示室もあり、企画展は半年ごとに内容を変えて展示。そして、記念すべき第1回企画展が「鬼太郎の誕生―生まれかわる四つの物語―」と題し、鬼太郎の誕生を描いた4つの作品を紹介しています(前期は2024年10月20日まで、後期は2024年10月22日〜2025年4月6日)。
水木先生は貸本「妖奇伝」で初めてマンガ「鬼太郎の誕生」を描きました。その「鬼太郎の誕生」に関しては、〈鬼太郎は人類が地球上に生まれる前から住んでいた幽霊族の最後の生き残りで、埋葬された母親から生まれてきた〉〈死んだ父親は目玉だけの姿になって鬼太郎を見守る〉というストーリーをベースに、その後3度媒体を変えて描き直されてきました。今回の展示ではその4つの鬼太郎の誕生に迫ります!
オリジナルグッズ多数!最後はミュージアムショップへ
そして、最後はミュージアムショップ「な・ぷーんストア」へ!ここだけで買えるグッズが大充実しています。オススメはおどろおどろしさ(!?)がかっこいい原画ポストカードや人気キャラクターたちのアクリルスタンド!旅のお土産にも最適です。また、記念館内の妖怪ポストに投函すると、“妖怪消印”を押してもらえるそう!旅の記念に送ってみては?
新しく生まれ変わった記念館はご覧の通り見どころもいっぱいで、子どもも大人も楽しめる展示内容になっています。ぜひ、じっくりと時間をかけて水木しげる先生の人生を辿ってみてください!
♯DATA
水木しげる記念館
住所:鳥取県境港市本町5番地
電話番号:0859-42-2171
営業時間:9:30〜17:00(最終入場16:30)
休館日:無休
入館料金:一般1,000円、中高生500円、小学生300円
http://mizuki.sakaiminato.net/
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